なぜ「月見」は空前の大ヒット企画になったのか?お月見商品は二つの道を進化した
お月見商品の進化年表
| 年代 | 惣菜・外食「玉子グループ」 | スイーツ「黄色い丸グループ」 |
| ~1990年頃 | 月見そばなどはあったものの、お月見の食べ物は団子や里芋などの行事食が中心 | 月見菓子も、月見団子などの和菓子が中心 |
| 1991年 | マクドナルドが「月見バーガー」を発売。丸い玉子を月に見立てる、新しい月見表現が登場 | ― |
| 1996年頃~ | 月見バーガーが毎秋発売され、秋の定番商品として知られるようになる | ― |
| 2010年代半ば頃 | KFCなど他の外食チェーンにも、玉子を使った月見商品が見られるようになる | 月やうさぎを表現した和洋菓子が、少しずつ登場 |
| 2017~2018年頃 | バーガーだけでなく、マフィン、丼、麺などにも月見表現が広がり始める | コンビニで「お月見スイーツ」の展開が始まる。プリンやロールケーキなど、洋菓子を月に見立てた商品も登場 |
| 2019年頃 | 月見商品が単品展開から、複数商品をまとめたシリーズ企画へ発展 | マクドナルドが「月見パイ」を発売。月見商品が甘味にも広がっていく |
| 2020~2022年頃 | 半熟風玉子や卵黄ソースなど、玉子の加工技術を生かした月見表現が増える。モスやコメダなど、参入企業も拡大 | プリン、パイ、ロールケーキ、シュークリームなど、洋菓子全体に月見表現が広がり始める |
| 2023年頃~ | バーガー、丼、麺、ピザ、弁当、惣菜など、料理のジャンルを越えた月見商品が増加 | 黄色や丸形、うさぎなどを使い、玉子そのものを使わなくても「月見」が成立する商品が増える |
| 2026年 | 外食・中食ともに、秋の大きな商品企画の一つとして定着しつつある | コンビニ各社が大福、タルト、プリン、ロールケーキなどを展開。「黄色い丸」による月見表現がさらに多様化 |
年表から見えること
この流れを見ると、スイーツへの本格的な広がりは、2017~2019年頃から始まったと考えられます。
惣菜や外食では、目玉焼き、ゆで玉子、温泉玉子など、玉子そのものを月に見立てる表現が中心でした。商品を見れば、説明がなくても月見だと伝わります。
一方、スイーツでは、プリンやカスタードなどの「黄色くて丸いもの」を月に見立てることで、商品開発の自由度が大きく広がっていったようです。さらに、うさぎやすすき、紺色の夜空を加えることで、お月見の物語までパッケージ化できるようになりました。
お月見商品は、月見団子から月見バーガーへ、月見バーガーから玉子料理へ、そして黄色い丸のスイーツへと広がってきました。
現在の月見商戦は、単に玉子をのせた商品の競争ではありません。「丸い」「黄色い」「とろり」「うさぎ」といった記号を使い、どこまで秋らしい商品を作れるかという、季節表現の競争へ進化しつつあります。
写真はコンビニ各社で売られていた「お月見スイーツ」ですが、「黄色い大福仕様」「プリンタルトに生クリームとカスタードクリームでお月様表現」「プリンタルトのプリン部分でお月様表現」と三種三様なのがわかります。



参考情報
マクドナルド「月見バーガー」
1991年に初登場、1996年頃から毎秋展開
https://www.mcdonalds.co.jp/company/news/2026/0826a/
セブン‐イレブン「お月見スイーツ」
2018年に4品へ拡大
https://www.sej.co.jp/
マクドナルド「月見パイ」
2019年に初登場
https://www.ssnp.co.jp/foodservice/200560/
モスバーガー「月見フォカッチャ」
2022年に初登場
https://www.mos.jp/